【ファイト!】深夜放送の最後に読まれた17歳の女の子へ。

音楽

ラジオの深夜放送。
歌のイメージからかけ離れた明るいDJトークが2時間続く。
もうすぐ午前3時。
エンディング曲の前に、この手紙が読まれた。

書いたのは17歳の女の子。
僕と同じ歳だ。

こんばんは。毎日楽しく聴いています。

私は中学を出て、すぐ働いて2年になる17歳の女の子です。
この間、私の勤めている店で、店の人が私のことを
「あの子は中卒だから事務は任せられない。」
と言ってるのを聞いてしまいました。

私、悔しかった。
悔しくて悔しくて、泣きたかった。
中卒のどこが悪いと、言いたかった。

私だって、高校へ行きたかった。
だけど家のこと考えたら、私立に行きたいなんて言えなかったし、
高校に入る自信もなかった。
なのに、こんな風に言われるなんて、ひどい。

ごめんなさい。愚痴を書いてしまって。またお便りします。             

ペンネーム「私だって高校へ行きたかった」さん

高校へ行きたかったあなた。女の子です。
       (中略)
どういうところを、通ってきたかっていうことよりもね、
そこで何をあんたが吸収してきたかってことだと、思うわけよね。
理想論かも知れないけど。
でもまぁ、周り中の全ての人間にさ、
あなたの良さをわかってもらおうとかいうのは無理なことだけど、
わかってくれる人も、どっかに一人はいるかも知れないとかね。
それから、誰かにわかってもらおうとするとかさ、
そんな風に思うことだって、素敵なことじゃないだろうか。
ファイト!

中島みゆきのオールナイトニッポン 1982年5月3日 より

あれから、41年。
17歳の女の子は、58歳になってる。
誕生日を迎えてたら、59だね。

どんな人生を歩いてきたんだろう。
見ず知らずの人だけど、心穏やかな時間を過ごしていて欲しい。
同じ時代を生きた者として、そう思う。

あなたが行きたかった高校へ、僕は行かせてもらいました。
それだけで、恵まれてる。
感謝しなきゃいけないですよね。もっと。

自由になりたくて走り続けたけど、自由なんかどこにもなかった。
身体も心も傷だらけ。
ボロボロになって、もう走れなくなって、
足元を見たら、そこにあったんですけどね(笑)。

立ち止まるまで見えなかった。
気付かなかったです。

この手紙とあの曲の関係なんて、作者にしかわからないけど、
あなたが書いたこの手紙は、時を越えて今も、たくさんの人の心を震わせています。
語り継がれていくんでしょう。これからも。

心そのままの言葉は、力を失わない。
いつまでも、人の心を動かすんですね。

どこかで、元気でいて下さい。
あなたが、幸せでありますように。

※著作権の確認がとれないため、Youtubeへのリンクを削除しました。

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